攻撃を受けるザポロジエ原発

モスクワ共同によると、ロシア軍は3月４日、ウクライナ南部にある欧州最大級のザポロジエ原発を砲撃した。原子力企業エネルゴアトムなどが明らかにした。至近距離からの攻撃により消火活動が難航している模様。

ウクライナ非常事態庁によると、原発の研修施設で火災が発生した。ウクライナとロシアの代表団は３日、ベラルーシで再び停戦交渉を行ったが合意に至らず、ロシア軍は攻撃を続けている。

ザポロジエ原発

国際原子力機関（ＩＡＥＡ）のグロッシ事務局長は深刻な危険が生じるとして攻撃停止を訴えた。ＩＡＥＡは原発周辺の放射線量に変化はないとウクライナ当局から報告を受けたと明らかにした。

ザポロジエ原発はウクライナの総電力の約２割を担う同国最大の原発で、原子炉は６基。同国のクレバ外相は、同原発が爆発すれば、チェルノブイリ原発事故の１０倍の被害になると警告、攻撃の即時停止を呼び掛けた。ウクライナ側によると、ロシア戦車部隊は３日、同原発が立地する南部エネルゴダールに入った。

停戦交渉では、戦闘地域から一般市民が安全に退避できるよう「人道回廊」を設置し、回廊付近で交戦を一時停止する方針で一致した。次回交渉は来週初めに開く方針。